瀕死の状態に陥った屋久島縦走2日目を、なんとか無事に終えて、遂に最終日である3日目に突入したれむ(@toko2lab)です。
前回記事はこちら↓
3日目は、大本命である「縄文杉」から始まり、数々の屋久杉を拝み、苔むす森や白谷雲水峡などの名だたる名所を通るルートです。
屋久島縦走 3日目ルート
【3日目】屋久島縦走ルート 最終日 | |||
ログ地点 | ログ | 所要時間 | 通算時間 |
高塚小屋 | 6:15 | — | — |
縄文杉 | 6:30 | 15min | 15min |
ウィルソン株 | 8:50 | 140min | 155min (2h35m) |
辻峠 | 12:20 | 210min | 365min (6h05m) |
苔むす森 | 12:50 | 30min | 395min (6h35m) |
白谷山荘 | 13:00 | 10min | 405min (6h45m) |
白谷雲水峡 出口 | 15:20 | 140min | 545min (9h05m) |
初日の「淀川小屋」に比べると、施設が新しい高塚小屋は快適でした。(やっぱり夜中にネズミに襲われましたが)
なるべく体力を回復できるように早めに就寝するも、疲労はピークにきているので肉体的にキツい。しかし!言ってても仕方がないので、朝起きてからさっさと朝食を済ませ、出発することに。
この日、起床すると外は豪雨。
「遂に来たか…」と、これまで雨の屋久島に降られなかったことを幸運に感じつつ、レイン装備を整える。
高塚小屋から大本命「縄文杉」へ!!
高塚小屋から縄文杉までは近い。
徒歩5分くらいの距離にあり、それも加味して2日目の宿泊地を高塚小屋にした。
あまり遅くなると、他の登山者ともガチ合ってしまい、せっかくの縄文杉を堪能できないからだ。
歩いていると次第に雨も小雨に代わり、ほどなく”壁”のような風貌の縄文杉が現れる。
その姿は白化しており、明らかにこれまでに見てきた屋久杉とは存在感が違う。
神聖な空気を纏い、ただ何百年、何千年とその場所に佇んできたのであろう御姿。
木であるはずなのに、なんだか感情すらも感じてしまうような「御神木」の名が似合う立派すぎる荘厳な立ち姿だ。
とてもじゃないが、一枚には収まらない大きさ!
その圧倒的大きさと、威厳、全てが唯一無二!
大本命なので、一応「縄文杉」と共に記念撮影(笑)
大き過ぎて写真も上手く撮らせてくれない。そして、一枚撮るたびに違う表情を見せてくれる…ここに一日居られるな…と。
ちょっと遠くからのアングルも良い。
枝の一本一本が、通常サイズの幹と同じサイズなので、とにかく圧倒される!
KenjiはGoProで、僕はコンデジで、とにかくたくさん写真を撮ったけど、使い物になるような物はあまりなく、やっぱり実物を目の前にした時の感動には敵わない。
写真じゃ伝わらない絶対的オーラを纏ってる。
だから、多くの登山者を魅了するのだろうね…。
縄文杉〜ウィルソン株まで(夫婦杉/大王杉)
早朝に出発してきたはずなのに、縄文杉を堪能して気付けば朝の7時前。
まだ森の中は薄暗く、少しづつ陽の光に照らされた植物たちから出る水蒸気で、湿度は非常に高い。
縄文杉を出発すると、次の目的地は「ウィルソン株」
そこまでにも多くの見所があるのが屋久島です。
まずは、屋久杉の中でも2本の杉が独特な風貌をしているという「夫婦杉」
それから、縄文杉発見(1966年)前のほんの50年ほど前までは屋久島最大の屋久杉とされていた「大王杉」
まずはこの2つを目指す!
二本の巨杉が織りなす芸術!夫婦杉
樹高 | 左(妻) 25.5m 右(夫) 22.9m |
---|---|
胸高周囲 | 左(妻) 5.8m 右(夫) 10.9m |
推定樹齢 | 左(妻) 1500年 右(夫) 2000年 |
標高 | 1230m |
場所 | 縄文杉登山ルート大株歩道沿い |
夫婦杉は、二本の屋久杉が手を繋いでいるように見えることから名付けられたのだそう。
樹齢は、妻が1500年、夫が2000年で、両杉が屋久杉に認定されているから凄い。
この二本の夫婦が手を繋ぐまでに、一体何年の歳月がかかったのだろう…。
かつての屋久島1位!大王杉
樹高 | 24.7m |
---|---|
胸高周囲 | 11.1m |
推定樹齢 | 3000年 |
標高 | 1190m |
場所 | 縄文杉登山ルート大株歩道沿い |
大王杉も迫力満点!の屋久杉。
ただし、僕らのルートだと、縄文杉後になってしまうので、どうしても感動は薄れてしまう。白谷雲水峡からの逆ルートだと、徐々に大きな屋久杉へと視点を移せるので、大王杉を目の前にした時の感動は大きそう。
大王杉を見てまず思うことは、幹の根の部分に入った大きな亀裂。
中は空洞になっていて、白化も進んでいる。
一説によると、もはやいつ倒れてもおかしくない状態なのだとか。
どうにか頑張ってほしい。という気持ちと共に、人間には歩めない壮絶な時の流れを、ゆっくりとこの場所で見守ってくれたのだから、もう休んでほしい。と、そんな気持ちにさせられる。
豊臣秀吉が切り落とした!? ウィルソン株
昔々の440年ほど前、豊臣秀吉将軍の命令で大阪城築城の切り落とされた巨木だったという説が有力なのだとか。こんな巨木を柱にするとは…。現在の大阪城にもウィルソン柱は残っているのだろうか。
その巨木、切り落としたはいいが、川の流れで運ぶことはできず、結局細切れにして、作業人が運んだのだとも聞いた。
大阪城の支柱にするための木材を採取しに来たらしいので、細切れにしてしまっては柱の役目を果たせない。つまり、丸々一本ではなかったにしろ、巨木のまま運んだということ。。。
これを背負って下山するとは…恐ろしい…。
ちなみに切り落とされていなかったら縄文杉を超える巨木になっていたであろうと推測されているらしい。もったいないような気もするけど、だからこそあれだけ立派な大阪城が建築されたのでしょう。
ご存知の通り、中は空洞になっていて祠がある。
調査隊としては森に入っていたウィルソン博士が急な豪雨から雨宿りするために入ったのが発見のキッカケらしい。
『一体どこから見りゃ例のハート型に見えるんだ!?』と、とにかく中をぐるぐる回った。まだまだ朝も早くて、他の登山隊が到着していなかったのが幸いした。本当ならこんなに株の中に滞在することは叶わないはずだ。
やっと発見!
見事なまでのハートに一番興奮していたのは、やっぱり女子。
中を堪能した頃には、他の登山隊(特に白谷雲水峡出発隊?)とガチ合い。
身動きが取れなくなる前にサッサと出発してしまおう!ということに。
続いて目指すは「辻峠」
実は、どこのことを辻峠と言っているのか、帰ってきた今もわかっていない。
峠だから、道そのものなのだろうけれど、なんだかピンと来ないのが「辻峠」
幹の重さに耐えきれず!かつての名屋久杉「翁杉」
ウィルソン株からしばらく歩くと、2010年に倒木してしまったという翁杉があった。
先ほどの大王杉同様、幹の根の部分が空洞化してしまい、上部の幹の重さに耐えきれなくなったことが原因なのだとか。現在は倒れてしまった幹の部分は見ることができないので、最初は落雷によってこの状態になったのかと思った。
近くにはかつての翁杉の写真が掲載されている看板があるが、とても立派な屋久杉だったようだ。ありがとう。
しばらく行くとトロッコ道入り
屋久島の登山道というと、トロッコ道を歩いている写真が有名だけど、今回の僕らのルートからだと、この時初めてトロッコ道とご対面することになる。
これまたなんとも言えないフォトジェニックな景色。
後半へ続く!
屋久島縦走ルート3日目の記事も、前編後編に分かれます!
次回は、いよいよ縄文杉に続く目玉である「苔むす森」が登場!
それではまた後編でお会いしましょう(^ ^)