屋久島

【体験記】day2-2 屋久島縦走|黒味岳→宮之浦岳→高塚小屋

この記事は、2日目(1/2)の続きです。

過去記事はこちらからどうぞ。

【体験記】day2.1.1:屋久島縦走トレッキング|黒味岳登頂!この記事は、一日目からの続きです。 過去記事はこちらからどうぞ。 https://toko-lab.com/yakushima-...

 

天候が心配で黒味岳を後にする

前回の記事終わりにも書いたが、黒味岳山頂にて山々に雲がモリモリと上がってくるのを目にした。

管理人れむ
管理人れむ
こりゃあ、天候が崩れる可能性があるぞ

もちろん、そこは屋久島なので雨の覚悟はしているけれども、それでも雨に打たれながらのトレッキングよりも、なるべくストレスのない方が良い。

急いで下山し、次の目的地「宮之浦岳」へと歩を進めることに。

2日目残りの行程

前回記事を見ていない方のために、どんな行程(スケジュール)で進んでいるのか、ログを掲載しておきます。

【2日目】屋久島 縦走ルート(全2泊3日)
ログ地点ログ所要時間通算時間
淀川小屋5:00出発
小花之江河6:50110min110min
花之江河7:0010min120min
– 小休憩 –
(20分間)
7:2020min140min
黒味岳分岐7:4020min160min
黒味岳山頂
(1831m) 
8:0020min180min
(3h)
黒味岳
(山頂見物+下山)
8:4040min220min
(3h40m)
投石平9:3050min310min
(5h10m)
– ご飯休憩 –
(50分間)
10:2050min400min
(6h40m)
栗生岳11:4585min485min
(8h05m)
宮之浦岳
(1936m)
12:1025min510min
(8h30m)
平石13:4090min600min
(10h)
小高塚岳16:0525min625min
(10h25m)
高塚小屋17:3085min710min
(11h50m)

濃く塗り潰した部分は、前回までに消化した行程で、これからは「黒味岳下山」からのスタート。時間配分的には、3時間消化したあたりなので、全行程12時間からすると、まだまだ1/4が終わったところ。

キツいキツい2日目は、なかなか終わってくれない。

投石平(なげしだいら)に到着

なんとか天気は持ってくれているようで、投石平まで到着。

ここでお昼休憩にする予定にしていたが、どうも他の登山者の方々は投石平をスルー。

他の方々が先を急いでいる姿を見て、僕らトコトコチームもちょっと不安になったけれど、時間も推してるわけではないので、スケジュール通りに休憩を取ることに。

  

このあたりから、山の景色が変わりだす。

一般的には3000m以上の森林限界も、屋久島の場合は2000mと言われるが、投石平の標高が1680m。その兆候ということなのか。

ゴツゴツとした巨岩が山肌から顔を出し、枯存木が突き出ているような情景が多く見かけられる。

個人的に、屋久島の枯存木がある風景が大好き。

生と死の共存というか、“死”が見えることで、より強く“生”を感じることができる。

 

休憩場所にちょうど良い広場があったので、ここで昼食を摂ることに。
ここは風が直接当たるので、午前中歩いて汗をかいた身体には少し肌寒い。

のんびりしていると、先ほど黒味岳山頂から見たものとは別の雲が上がってきた!
雲から逃げるように急ぎ出発することに。

投石平→栗生岳→宮之浦岳

昼休憩を終えたら、ここからは一気に九州最高峰 宮之浦岳(1936m)を目指すルート!

遠目に見えている山頂が遠すぎて、憎たらしい(笑)

道のりとしては、舗装(補強)された道が多くなってくる。

登りが続き、体力の消耗が激しくなってくるけれど、それでもまだ午前中なのでペース配分を考える余裕はある。

しかし、恵まれた環境とは言え、晴天過ぎて日差しがキツい。

途中、山肌の崖沿いを進むルートがあり、↑ここから右を見ると…

超巨大な岩を発見!!!
なんか、宇宙船ぽい形だけど、何にも名前は付いてない岩みたい。

岩の大きさって、写真じゃなかなか伝わらないんですよね(^_^;)

↑人が居たとしたら、多分これくらいのサイズ感。

猿との遭遇

この辺りから体力的にしんどくなってきて写真の枚数が激減。

それから、写真に収めることはできなかったけれど、猿との遭遇もあった。

登山道を真っ直ぐに進んでいると、何やらこちらを気にかけている物体が。
「なんだ??他の登山者か??」と思っていると、『サル!!!』
すると、その猿はなぜかこちらに向かって猛ダッシュ!!!

四足のスピード感はとんでもなく早くて、あっという間に僕の目の前まで来て、立ち止まり、『なんだてめー?』ってな感じで、睨みつけ、横の草むらにヒョイっと入っていった。

残念ながら、その姿は先頭を歩いていた僕しか見ていないのだけれど、小ぶりな猿と言えど、マジで怖かった(笑)

宮之浦岳まであと少し!!

トコトコ研究所さん(@toko2lab)がシェアした投稿

実は、宮之浦岳登頂前に、もう一峰「栗生岳」があることをこの時まで知らなかった。
ずっと目指しているもの、目の前に見えている山頂が宮之浦岳と思い込んでいた。

(宮之浦岳登頂のつもりで)栗生岳を登っていると、行きのトッピーでご一緒だった名古屋のお姉さんたちに遭遇した。あちらは下り。

管理人れむ
管理人れむ
あ!昨日の!どうもこんにちは〜。

トッピーに乗っていたのが昨日であることが信じられないくらい遠い日のことのように思える精神状態。

お姉さん
お姉さん
あ!会えましたねー!
なかなか会えないから心配してたのよ〜。
管理人れむ
管理人れむ
今日はあちこち寄り道しながら、ゆっくり歩いてます(笑)
お姉さん
お姉さん
そっかそっか(^ ^)
ご飯は食べた?もう少しだね!頑張って〜!
すぐそこが栗生岳山頂よ〜。
管理人れむ
管理人れむ
え…?あれが宮之浦岳じゃないんですか…?
お姉さん
お姉さん
あれは栗生岳よ!その裏側に宮之浦岳よ〜。
管理人れむ
管理人れむ
(おげっ。ということはまだまだ先じゃん。。。)

ちょっとガックリしながらも、山に文句を言っても仕方がないので、ご飯の心配をしてくれるお姉さんがたに感謝しながら進むことにした。

栗生岳登頂前に見ることができるロボット兵。映画「天空の城ラピュタ」のロボット兵を彷彿とさせる。

 

宮之浦岳もとい、栗生岳山頂には、巨大な岩がゴロゴロと転がっている。
栗生岳以外にも、ここから見える周囲の山々には、不自然なくらいの量の巨岩が山頂にもっこり。
まさに、“海底の花崗岩が隆起してできた島”を証明しているかのような姿。

栗生岳山頂手前。驚くほどの巨岩。

 

急峻な登りを一歩一歩ではあるけれど、確実に進めることで少しづつでも、間違いなく山頂に近く。

『まるで人生のようだな』

体力がキツくなってくると、いつも僕はそんなことを考える。

栗生岳山頂に到着!!

ここらでメンバーの疲労も積み重なってきたけれど、それでもなんとか山頂に到着。
そして、ここまでくるとやっとこさ九州最高峰の姿が見える。

後は目の前の”九州最高峰”目指して登るだけ!

繰り返しになってしまうけれど、急峻な登りが続くと本当にしんどい。
けれど、やることは登るだけ。

こういうときに、体力が有り余っているkenjiが羨ましい。(だって、全然平気そうだからw)

だんだんと、周りには小休止を取り、道を譲ってくれる登山グループが増え、僕らも早い方ではないから、後ろから終われるプレッシャーを感じつつ。

気合い!気合い!!気合い!!!

視界は足元にいくことが多くなるけれど、ふと顔を上げて周りを見渡すと、山々があんなにも低いところにある。

こんなにしんどいけど、それでも確実に登っている自分に気付く。

人って、自分の足だけでこんなとこに来れるんだ。本当にすごい。

宮之浦岳踏破!山頂到着!!!

山頂へ辿り着くと、予想以上に多くの登山家がいた。

息を整えながら、僕らは記念撮影をして登頂の喜びに浸った。

宮之浦岳登頂のkenji

しばらくは登頂の喜びよりも、その行程の厳しさを思い返す時間が続いたが、次第に呼吸も落ち着くと、真っ青な青空と見渡す八重岳に感動した。

山の異名と岳参り

屋久島の山には色々な異名がある。

海岸線から宮之浦岳など高峰は見ることができないので、奥にある山の意で奥岳と称すると言った具合で、それを囲む前衛の峰を前岳と呼ぶ。

また、宮之浦岳、永田岳、黒味岳を三岳、または御岳と呼び、中央に位置する奥岳の投石岳、安房岳、翁岳、栗生岳を含めて八重岳とも呼んでいる。

前岳の中で登山者に知られる山は七五岳、本富岳、愛子岳などである。

前岳と呼ばれる山々は島の古い行事、「岳参り」の対象の山が多い。

管理人れむ
管理人れむ
なるほど。
屋久島産のいも焼酎「三岳」はここからきているのか

行きはヨイヨイ帰りはツライ

目指す山頂があるうちは、気持ちも前を向いていて、なんとかなったもんだけど、宮之浦岳登頂してからが本当に「精根尽きた」と言った感じだった。

山頂目掛けて全力を出し切った感が否めない。

下山を開始すると、下り道の乱雑さに驚く(完全に精神状態のせい)

ここで、目指す高塚小屋までの計算をしてみると、どう考えても4時間以上の行程が残っている。特に見所もない4時間の道のりはツライの一言。

でもでも、そんなことを言っても、山からエスケープすることなんてできないので、マイナス思考になろうがなんだろうが、とにかく歩かなければならない。

ここも、山の良いところでもあり、怖いところでもある。

板で舗装された道が続くのだけれど、周囲の木々が当たる距離。

2時間ほど歩いて標高を下げるまでは、また巨岩の道が続く。

慣れとは怖いもので、最初は「おお!でっけえ!」とか思ってた巨岩でも、しんどくなってくると『もうええわ!!』って飽きてくる。

まん丸の巨岩とその隣に、パックリ割れた巨岩。
最初は両方まん丸だったのだろうか。

突如現れる巨岩「坊主岩」

 

宮之浦岳山頂から2時間ほど歩くと、突如として有名巨岩「坊主岩」が現れる。

このあたりまでくるとだいぶ標高も下げて、道のりも楽になってくる。

実は、この辺りでハイドレーションの水を飲み切ってしまい、水不足に陥る。

登山中に水を失うのは命に関わるのだが、パートナー2人の水を少しづつ分けてもらいながら道を進んだ。

水も無くなって、ギリギリの戦いのくせに、写真だけはちゃっかり撮ってた。

グッと高度を下げると、今度は山を覆う靄が出てくる。

情景は綺麗なんだけど、湿気が増えると温度は下がるが、湿度が上がってサウナ状態。
ただでさえ水分不足なのに、大量の汗が出る。

歩き始めて10時間以上、ヘトヘトヘト

早朝5時から歩き始めて10時間以上。

もちろん、こんなに歩いたことはこれまでの人生で一度もないし、体力ではなく精神力で耐えてきた僕の登山人生の中で一番つらかった。

水もなくなり、精神的にもイライラしてしまいパートナーにも迷惑をかける。

なんとか「新高塚小屋」までは歩ききったものの、高塚小屋まではそこから1時間の道のり。しかも、小高塚岳を登らなければならない。

今日の行程ですれ違ったり、会話をした「高塚小屋行き」の登山者の多くは新高塚小屋で荷を下ろしていた。

それだけ、体力的にも精神的にも応える行程だったということ。

しかし、スケジュールは高塚小屋到着を前提に組んでいることと、kenjiの『新高塚小屋の不潔さはヤバい』の一言で、水の補給と30分ほどの休憩を取り、先に進むことにした。

新高塚小屋でお話をさせていただいた82歳女性登山家がいらっしゃったのだけれど、今日ほぼ同じ行程を進んだと仰っていたのに、御歳で元気バリバリ。勝てない(^_^;)

お話をすると、どうも同じ福岡の言葉ぽかったので『博多からですか?』と聞くと、「んにゃ、私は鳥栖」と、すぐ近くの街からだった。

こんな離れた場所で、地元の言葉を耳にすると落ち着く。

そう言えば、うちのばあちゃんも元気な時は山登りが好きで、地元の宝満山なんかによく登りに行ってたなぁ…と思い出した。

その頃、よく僕を山に誘ってくれたばあちゃんだったけど、当時中学生くらいだった僕は、『山登りとかダサいから行かない』って、断ってたなぁ…。

一度くらい、ばあちゃんと一緒に山に行ったらよかった。

 

鳥栖のおばあちゃんに元気をもらい、高塚小屋までの道をもうひと踏ん張り頑張ることにした。

高塚小屋まで目指す理由は、スケジュールの他にもあって、前情報で「断然綺麗な山小屋」と聞いていたからだ。

福岡のラリーグラスというアウトドアショップの店長に聞いたのだが、何やら、でっかいサランラップの芯みたいなものの中に樹脂を入れて、それを組み合わせて出来ているのだとか。

その芯と芯の間の樹脂が半透明で、光が挿すと明るくなるので、昼間はとても明るい山小屋とも。

管理人れむ
管理人れむ
それは一度見てみたい!

そんな気持ちもあった。

高塚小屋まで歩き始めてからすぐにわかった。

もう限界がきてる。

足が痛いとか、ケガしてるとか、そういうことは一切ないのに、もう一歩一歩足を出す体力が残っていない。そんな感じ。

こんな状態になったことは人生で一度もない。

精神力は残っているのに、足を出す体力がない。

身体が言うことを聞かない。

実際、1時間ほどの道のりだったのだけれど、たぶん倍の2時間近くかかったと思う。

ヘトヘトヘトになりながらも、なんとか到着!!

12時間ぶりにホッと腰を下ろして、なんとも言えない安堵感を味わった。

この日も、さっさと食事を済ませて就寝することにした。

管理人れむ
管理人れむ
あ、高塚小屋には水場がないので、注意してくださいね!
近くの水場は、同じルートだと新高塚小屋から準備しておくか、先の場合は、5〜10分歩いた縄文杉付近の湧き水が最寄り。
僕らはテント組の方に水を分けてもらってなんとかなりました^^;

明日はいよいよ縄文杉

そして、一番楽しみにしていた苔むす森

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