この記事は、一日目からの続きです。
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淀川登山口のおいちゃんから、『2日目がキツいけど頑張ってね〜』と、気楽に言われたけど、これまでの登山経験の中でダントツきつかった2日目。
特に、黒味岳→栗生岳→宮之浦岳あたりの記憶が曖昧(笑)
淀川小屋で一夜を明かす。
屋久島入りを無事果たし、初日に淀川小屋まで辿り着いたトコトコメンバー。
やることないので19時就寝したのは良いものの、疲れて熟睡したせいか、0時くらいには目覚める。
すると、他メンバーの2人が何やら騒がしい。
僕は耳栓&アイマスクを装備しているので、周囲の状況が解りづらかったのだが、それでもなんとなくヘッドライトの灯りがチラチラして、ゴトゴトやってるのがわかる。
耳栓を片耳だけ外して、アイマスクをチラッと上げて、『どうした??』
聞いてみると、ドライフードを食べた後のゴミを地ベタに置いていたので、その匂いを嗅ぎつけたネズミがビニール袋をカサカサと音を立てながら物色していたらしい。
なんとも気持ち悪い。
そして、後々知ったのだが、これは山小屋では常識のようで、ゴミは宙吊りにするなど、ネズミには手の届かない場所に保管しておく必要があるみたい。※これから山小屋に宿泊予定の方は気をつけてほしい。地ベタに置いていると100%来ます。
ひとまず、穴の空いたビニール袋を安全地帯に移し、もう一度就寝。(この時のネズミがトラウマでみんな眠れなかったらしい笑)
早朝4時起床!まだ外は暗い
淀川小屋で一夜を明かしたメンバーは、まだ暗いうちから荷物をまとめて小屋の外に出る。
まだ他の宿泊者は寝ているので、物音に気を使う。
薄っすらと空が明るくはなって来ているものの、肉眼では真っ暗。
ヘッドライトで辺りを照らしながら、朝食の準備を進める。
カフェオレとカロリーメイトで、エネルギーを摂るだけの食事。
でも、これでも食べないよりは良いし、むしろ食べておかないと2日目は持たない。
山中泊ルートでは、トイレ問題が重要なので、もよおしてはいなかったがとりあえずトイレIN。
やっぱり出ない。
ちなみに、トイレはポットン便所で、お世辞にも綺麗とは言えない。けれど、あるだけマシ。
女子は『怖い怖い!くさい!』を連呼(笑)
食べ物にもトイレにもハエが”たかる”けれど、そんなことは気にしていられない 。
早朝5:00 淀川小屋を出発!
淀川登山口のおいちゃんに『二日目が一番キツいからね〜!頑張ってね〜!』と聞いていたので、大型ザックを担いでいることも加味して、予定時刻を1時間以上早めたはずだったが、なんだかんだモタモタしてると時間が過ぎるのは早く、すでに30分遅れ。
2日目のルートはこんな感じ↓↓↓
【2日目】屋久島 縦走ルート(全2泊3日) | |||
ログ地点 | ログ | 所要時間 | 通算時間 |
淀川小屋 | 5:00出発 | — | — |
小花之江河 | 6:50 | 110min | 110min |
花之江河 | 7:00 | 10min | 120min |
– 小休憩 – (20分間) | 7:20 | 20min | 140min |
黒味岳分岐 | 7:40 | 20min | 160min |
黒味岳山頂 (1831m) | 8:00 | 20min | 180min (3h) |
黒味岳 (山頂見物+下山) | 8:40 | 40min | 220min (3h40m) |
投石平 | 9:30 | 50min | 310min (5h10m) |
– ご飯休憩 – (50分間) | 10:20 | 50min | 400min (6h40m) |
栗生岳 | 11:45 | 85min | 485min (8h05m) |
宮之浦岳 (1936m) | 12:10 | 25min | 510min (8h30m) |
平石 | 13:40 | 90min | 600min (10h) |
小高塚岳 | 16:05 | 25min | 625min (10h25m) |
高塚小屋 | 17:30 | 85min | 710min (11h50m) |
コースタイム合計は710分間(11時間50分)
活動時間合計は12時間33分
こうやってログを付けてみると壮絶なコースを歩いていることがわかる。だって、キツかったもん…本当にキツかった…。
屋久島2泊3日縦走ルート【2日目】体験記
さぁ!それではいよいよ”バリヤバ”な2日目のレビューをしていきます(笑)
2日目は、淀川小屋を出発すると、ひたすら登り!登り!!登り!!!
休息後ということもあり、かっ飛ばし過ぎてすぐにバテる。
何かの登山本で見たんだけど、トレッキングの最初の2〜30分は意識的にゆっっっくり歩くのが、1日長く歩くためのコツなんだとか。
悪いこと言わないから、こういうの、ちゃんと実践しておいた方が身のため。(自戒)
5時出発だったので、薄明るくなり始め、ヘッドライトも使わずに歩ける程度。
しばらく歩くと日が昇り始め、人生で初めての屋久島日の出を浴びる。
山の木々が朝日に照らされてなんとも美しい。
まるで燃えているように見える。
もうしばらく経つと、辺りが黄金色に輝きだす。
なんて美しい島なんだろうか。
雨も降っていないのに、木に群生している苔類が水々しい。
山全体を囲っている湿度のせいだろうけど、この島に身を置いていると常に「生命の力」を力強く感じる。
「生命の力」と行ったばかりだけど、同時にこんな枯木も目にする。
なんだろう、「生と死の共存」か。
この島自体が生命の息吹そのもののように感じる。
これが、屋久島が世界遺産たる所以に違いない。
2日目最初に目指す場所は「花之江河」
屋久島縦走の行程で2日目の最初に目指す場所は「花之江河」
前情報では「水が綺麗」「景色がいい」「ぼーっとできる」と、なんだかその場所の風景を想像できないものばかり。
って、思っとりました。
花之江河までの道のりは意外と長く険しい。(コースタイムで1時間40分くらい)
登りが続きつつも、気づけば雲の上にまで来てしまった自分の足に驚く。
この目で雲海なんか見たこともない僕は、Kenjiのはしゃぎ様を見てもなお、それが雲海ということを信じられなかった。
途中、屋久島の奇岩「トーフ岩」が見えた。
このルートでは、その姿を何度も見かけるが、何度目にしても不思議そのもの。
ぜひ近くで触れる距離まで行ってみたかった…。。。
思うに、一枚岩が徐々にストレスを受けて、あるとき『パキパキッ』と亀裂が入ったような作り。それにしても、綺麗に切れ過ぎてて摩訶不思議。
途中、展望台があり、ちょっと拝見。
奥岳の山々を一望。
屋久島は海底の花崗岩が隆起してできたというだけあって、巨岩が山の山頂付近にいくつもある。これがまた他では見れない不思議な光景!
ついでに周辺に咲いていた「シャクナゲ」やらなんやら。
屋久島のルートは、外れないように一本道になっていて逸れることは、まぁ、ない。
道もところどころは↑写真のように舗装されていて人工的な階段になっていることも。
こうしてある程度人工的にルートを作ることで、ルート外への踏み入れを防ぎ、木の根を保護して、土石の流出を防いでいるのだとか。
ここからは下りになり、道のりも楽になる。
気づけば「小花之江河」に到着。
小花之江河からもトーフ岩様を拝むことができる。
花之江河がなんなのか?
全く想像ができなかったのだが、ここで合点。
花之江河は屋久島の巨大湿原なのね。
子供のとき以来に見るオタマジャクシの姿。
ここでも生命の息吹を感じる。
ここでも美しい道のりを進み、10分ほど歩くと本丸「花之江河」に到着。
ここで小休憩で行動食を摂ることに。
花之江河がむちゃくちゃ平和で、鳥の鳴き声しかしない空間に癒される。
沼のように見える水場も、すごく澄んでいて、マグでそのまますくって飲める。
いやぁ、しかし、こんな湿原見たことない!!
屋久島で見る景色はどれもこれも「生まれて初めて」ばかりで、30代半ばにして感動しっぱなし。ぜひみんなにも見て欲しい景色ばかり。
小休憩を終えて、花之江河を出発!
この時で結構歩いたつもりだったけれど、時間はまだまだ朝7時を過ぎたあたり。
早朝出発だったから、そりゃそうなんだけど、普段こんな早朝から動くことないから、時間の感覚が鈍る。
もうお腹空いた。
花之江河からは黒味岳へ向けて一直線!
花之江河で休憩した後は、標高1,831mで屋久島三山の黒味岳を目指す!
黒味岳の景色は絶景らしいので楽しみが止まらない!!
花之江河→黒味岳の道は、湿地帯のためか木製の足場がしばらく続く。
黒味岳の登り口までは20分程度で到着!
この辺りから、荒川登山口からの登山者の方々と合流してきて賑やかに。
黒味岳は、登り降り同じ登山口になるので、ザックをここで置いて登山開始!
なんとまぁ!20kg近くあるザックを置くと身軽なことか!!!
これならいつまででも歩けるぜ!
と、思ったのも束の間(笑)
黒味岳山頂への道のりは険しい。
急勾配に加えて、クサリ場あり、狭道の連続やらで消耗。
こんなのザック抱えてなんてとてもムリ!
中腹まで来ると最高の見晴らし!
それにしても、一日目に続き天気が良い!
『ひと月に35日雨が降る』と脅されて来ていたので、当然、雨は覚悟していたのだけど、暑過ぎるくらい強い日差しに打たれ続ける。(個人的には日差し大好きなので気持ちいい)
そのまま山頂を目指す。
↑近くで見ると見頃が終わってる紫紺野牡丹も、
↑遠目で見ると山を色付けしててとても綺麗!
山頂までもうちょいもうちょい!
同じ目線でトーフ岩様とご対面。
山頂同士だとこんなに近くに見えるのに、行けないんだなぁ。。。
黒味岳(標高1831m)初登頂!
ドンっっ!!
黒味岳登頂完了!!
体力的にはそこまでキツい山ではないけれど、夕方までに次の山小屋に着かなければならない過密スケジュールのせいか、焦っちゃう山でした。
黒味岳のコースタイムは、登り30分/下り20分。
山頂見物してるとあっという間に2〜30分経つので正味1時間15分くらいが所要時間。
山頂付近にある拳銃のスロットルのような形の巨岩。
これには名前付いてないのね。
↑後ろの方にいる彼女が落ちそうで怖い。。。
でもでも!この時に撮ってもらった写真が、この屋久島トリップで最高の1枚になりました!
↑↑↑コレ!
やば!絶景!w
屋久島の山々を望むのであれば、iPhoneのパノラマ撮影が重宝します。
広角レンズでも良いんだけど、GoProでも今一歩!ってくらい入りきらない絶景が屋久島にはある!
肉眼と同じような感じで見せるためには、パノラマかなぁ。。。というのが今のところの結論です。
そうこうしていると、上の写真でもチラッと見えていますが、山の向こう側から雲がどんどん登って来ました。
モタモタしているとアッという間に山々が雲に包まれて、視界がなくなっていきます。
慌ててメンバーで記念撮影をして、下山!
この後はいよいよ!
九州最高峰の山、標高1936mの宮之浦岳を目指します!